こんにちは!memi(@memi_ceo)です。
本日は、タイリーグセントラルよりタイリーグで指揮をとる日本人監督の1人である、滝雅美監督のインタビュー記事の翻訳です!降格圏脱出を目指す滝監督はチームにどのような変化をもたらしたのか?ご覧ください!
12月19日、タイリーグ第15節。ラヨンFCは降格圏脱出のため、一つでも勝ち点を伸ばす必要があった。
バンコク・ユナイテッドFCをホームに迎え、試合は67分が経過したところでペナルティエリア外のゴール左側、絶好の位置でフリーキックのチャンスを迎えた。
Anuchit Ngernbukkol選手がニアサイド上空にボールを蹴り込み、すぐさま味方選手たちが反応したことは、バンコク・ユナイテッドFCのディフェンスラインに混乱を与えた。その後、Sirisak Fufung選手が頭で合わせ、先取点を奪取。ホームの観客を熱狂させ、チームは1-0で勝利を収めた。
結果としてラヨンFCは直近3試合で2勝をあげ、10月初旬より最下位に沈んでいた状況から15試合で勝ち点10に伸ばした。まだやるべきことは多いが、今回の勝利で残留への望みを繋いだ形だ。
降格圏脱出の任務が課せられている滝雅美監督は
「降格を回避することは非常に難しいですが、その分挑戦し甲斐のあることだと思います。」
と語っている。
滝監督は11月中旬にラヨーンFCの監督に就任し、開幕からわずか11試合でクラブにとって今シーズン3人目の監督となった。昨シーズン、弱者と評されたものの昇格を勝ち取ったChusak Sriphum元監督の無条件に攻めあがるような攻撃手法では、当然のことながらトップリーグ相手では歯が立たなかった。その後、監督はアルトゥール・ベルナルデス氏に代わり6試合を指揮したが、契約上の問題で解任となった。
ラヨンFCはベルナルデス氏が辞任し、開幕後の11試合で勝ち点3しか獲得できていないことから、迷走するかのように思われた。チェンライ・ユナイテッドFCを指揮していたばかりの滝監督がラヨンFCの監督に就任したとしても、状況はさほど変わらないとみられた。
滝監督はこのことについて以下のように述べている。
「私がチェンライ・ユナイテッドFCの監督としてラヨンFCと対戦した時、彼らの態度に感銘を受けました。彼らは試合終了まで決してあきらめませんでした。日本に帰りたくなっていたのですが、ラヨーンFCが私を必要としていると強く感じたので契約しました。」
48歳の滝監督はサッカーの指導者として豊富な経験を積んでおり、その経歴は22歳のときまで遡る。
「元々は日本でサッカー選手を目指してたのですが、両足の怪我により選手になることを諦めました。その後、Jリーグに昇格したばかりのセレッソ大阪でU18のコーチとして働き始めました。」
その後、滝監督はヴィッセル神戸とジュビロ磐田のアカデミーで経験を積んだ後、予期せぬ形でタイでの監督としての初仕事を任された。
2009年にタイ・ホンダFCの日本人の会長が滝監督を「微笑みの国」に呼び込んだ。今と同じような形で、滝監督は悲惨な状況に陥っているチームを救助するよう求められた。残留するにはバンコク・バンクFCがリーグから撤退したことにより開催される事になった降格圏の4チームによるプレーオフで優勝する必要があったのだ。
滝監督はこう振り返る。
「彼らは日本人の監督を探しており、日本のネットワークを通じて重責を任されました。私はただ現状を把握するためにタイにやってきたつもりでしたが、会長に、翌日から監督業務を始めるように言われ、監督になることになってしまいました!」
滝監督の功績のおかげでこの想定外の出来事は大きな成果に繋がった。3部リーグへの降格を阻止し、11位でシーズンを終えたのだ。2014年には再びタイ・ホンダFCの監督に就任し、3部リーグのタイトルを獲得し、2015年の2部リーグへの昇格を決めた。
2020年には、彼のこれまでの下位リーグでの実績が評価され、タイリーグチャンピオンのチェンライ・ユナイテッドFCの監督に就任した。これまで成果を挙げてきたアイルトン・シルバ氏に代わり、補強面に介入する余地が限られていながらも、11月の退団までに11試合で勝ち点26を獲得し、ファーストレグでトップ4に入ることができた。
現在ラヨーンFCを指揮している滝監督は、タイのトップリーグで実力を証明することに全力で取り組んでいるが、ラヨンFCを残留させるためには険しい山をはい登る必要がある。
「選手のプレーの質の高さから、なぜこのチームが最下位だったのか理解できなかったです。彼らにはより高い可能性があると感じました。」
と滝監督は語った。
これまでのところ、滝監督の仕事はチームが正しい方向に向かっていることを証明している。クラブでの最初の4試合で、2勝1引き分けという結果を出し、直近の試合ではバンコクユナイテッドと印象的な試合を演じた。
1試合あたりの得点は1.75点で、就任前のの0.27から大幅に改善された。どのようにしてチームをこのように早期に改善することができたのかを質問すると、以下のように答えた。
「選手たちには、まず最初に自信を持ってプレーすることを伝え、組織的な攻撃と守備に取り組みました」
滝監督は、チームの能力と精神に対して強い自信を持っており、チームがプレッシャーにさらされておらず、残留という目標にしっかりと目を向けていると主張している。
「チームは最下位にあり、それ以上下がることはできず、上に行くだけなので、プレッシャーは感じていません。」
と滝監督は言った。
4週間前に「ラヨンFCは素晴らしい残留劇を成し遂げることができる」と発言すれば、タイリーグの関係者からは信じがたいと言われていた事だろう。ラヨンFCのファンが今、残留を夢見ることができているのは、滝監督の成果の証である。チームを守備的に編成し、絶望的な状況にも耐えられるよう選手の精神面を改善した滝監督の手腕は、残留に望みをつなげたのかもしれない。
この記事はThai League Centralからの翻訳です。(執筆: @GianChansricha1/翻訳:よし)
元記事URL:https://thaileaguecentral.com/2020/12/24/masami-taki-rayong/