タイサッカーを知ろう

今年のタイリーグはどうなる!?再開時期やコロナ対策、放映権問題

依然として非常事態宣言の中にあるタイ。
そんな中、タイリーグの再開を心待ちにしている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、タイリーグの再開時期やコロナ対策、関連する問題について解説していきたいと思います!

※記事内の情報は2020年7月16日現在のものです。今後さらに変更がある可能性があります。

タイリーグは秋春制へ移行

タイリーグは3月から試合が中断

タイリーグの2020シーズン(T1・T2)は2月14日に開始されました。2月と言えば、日本でもコロナウイルスへの感染者が出始めた時期でしたよね。
リーグ戦は、タイ保険省がコロナウイルスを危険感染症に指定した事を受け、3月1日に行われた第4節を最後に中断されました。

リアルタイムでニュースを追っていた方ならご存知かも知れませんが、当初は3月からの試合は「無観客試合」で開催する事が予定されていたんです。

しかし、選手の健康管理の問題、無観客で試合を行った場合のコストの問題などから各クラブからは延期を強く要請する声が上がり一転してタイリーグは延期、長い中断期間に入りました。

タイリーグの決断が早かったのはこの後です。中断から1ヶ月が計画した4月、タイリーグはレギュレーションの変更を発表。リーグ戦を秋春制に変更し、9月より再開することを発表しました。今後5ヶ月は試合を行わない(※4月時点)と言う事を早々に決定した訳です。
Jリーグが2週間おきに開催可否を判断していたことを考えると、かなり大胆な決断だったと言えます。。。!

そもそも秋春制って?メリット・デメリット

日本のJリーグ・韓国のKリーグ、そしてタイリーグを始めとするアジア各国のリーグは2月に開幕して12月に閉幕する春秋制を取っています。2月を春と言っていいかは謎ですが、要するに年内で試合を完結させるスケジュールになります。

一方、イングランドのプレミアリーグやドイツのブンデスリーガなど、西ヨーロッパのリーグは8~9月開幕、年を跨いで翌年の5月に閉幕する秋春制を採用しています。年末年始への対応は国によって違い、多くのリーグではウインターブレイクと称して2週間〜1ヶ月の中断期間を設けていますが、プレミアリーグでは12月30日〜1月1日にも試合が行われています。ブラック企業も真っ青の日程です。。

  • 欧州リーグに日程を合わせることで、移籍期間が同時期になるため移籍がしやすくなる
  • 代表試合の日程は欧州リーグを主軸に組まれているため、代表としてのコンディション調整も行いやすくなる
  • 夏の一番暑い時期を避けた日程のため、選手や審判の体力の消耗が防げる
  • ブラジルを始めとする南米は春秋制のため、選手の獲得が行いにくくなる
  • 寒い地域では降雪による試合の中断が予想される。屋根のないスタジアムでは、試合を円滑に進めるための大規模な設備投資が必要となる。
  • 2020年カタールW杯は10月~11月に開催予定。シーズン終了後の疲弊している状況でW杯に出場しなくては行けないため、秋春制を採用している国が春秋制への移行を検討する動きがある

タイは温暖な気候のため積雪の心配はありませんが、春秋制・秋春制どちらも一長一短なんですね。シーズン移行に関しては日本でも根強い(根深い?)議論がされていますので、興味のある方は調べてみてください。

再開後のタイリーグはどう変わる?

日程はこうなります


T1(タイリーグ1部)は、2020年9月12日~2021年5月15日の日程で行われる事が決定しました。年を跨ぐため、2020/2021シーズンと表記される事になります。
以下が現時点での決定事項です。

2020/2021シーズンの変更点

タイリーグ2020/2021シーズン
  • T1リーグは中断前第4節までの結果を引き継ぎ、第5節から再開
  • 前半戦を終えた時点で上位4位までのチームがACLへの出場権を獲得する
  • T2は9月12日〜2021年4月25日で開催。T1昇格のためのプレーオフは2021年5月2日〜23日に行われる
  • T3とT4リーグは今期はナショナルリーグとして統合し、6つのゾーンに分かれて2020年10月3日〜2021年2月28日に開催。各ゾーンの最下位が降格。
  • GSBナショナルリーグで分かれた6つのゾーンの各優勝・準優勝クラブがチャンピオンズリーグラウンドとして2グループ(2021年3月6日から5月25日)に分かれて戦い、各グループの優勝チームがT2に昇格。
  • FAカップは2020年9月30日より開催、決勝は2021年5月22日
  • リーグカップは10月21日より開催、決勝は2021年5月1日
  • タイ国スポーツ局はコロナによる損害を考慮し、各クラブにはそれぞれ50万バーツを支給(≒170万円)を支給
  • 中断期間中の選手給料は50%カットされるが、その補填としてタイスポーツ局
    からは3ヶ月間各選手に5000バーツ(≒1.7万円)を支給

厳しいルールが定められているコロナ感染対策

  • 試合は感染防止のため無観客で行われる。
  • 選手を含めた関係者は72時間以内に検査を受けコロナウイルスに感染していない事を証明する必要がある。
  • 選手、スタッフ、スタッフ、コーチを含むすべての関係者は、会話を減らすためにマスクを着用し、石鹸、ジェル、アルコール消毒を行う。
  • スクリーニングによる体温測定を行い、37.5度以上の場合は会場に入れない。
  • スタジアム内・周辺の人数は250人以下。各チームは36人以下である事。
  • リーグ関係者はセキュリティを含めて25人を超えない事。
  • 入場できる医療関係者は20人以下、放映権を持つテレビ放送の関係者は30人以下、その他の報道関係者は15人以下、そしてスポンサーやクラブ幹部は合計で10人を超えない事。
  • すべての機器は、使用前後に70%アルコールまたは0.9%次亜塩素酸ナトリウムで洗浄しなければならない。トイレを含むすべての敷地内のエリアは、少なくとも2時間ごとに清掃。エアコンは少なくとも1日に1回はエアコンを清掃する。

代表監督も入国できない?外国籍プレイヤーへの影響

気になる外国人プレイヤーへの影響ですが、現時点ではタイに入国を希望する外国人選手やスタッフは、渡航72時間以内に検査された新型コロナPCR検査の陰性証明書と渡航にふさわしい体調であることを示す診断書を提出する必要があり、入国後は国家代替検疫プログラム(ASQ Program…政府認定のホテルに滞在し旅行者の自費で検疫を行う)に従い14日間の隔離処置が必要です。
現在、タイサッカー協会はタイへの渡航許可を求め外国人選手やチーム関係者計78人のリストを外務省に提出、認められると入国ができるようになります。その中には日本に帰国していた西野代表監督も含まれているそうです。代表監督が入国できないと大変な事になりますよね。。

一方、すでにタイにいる(在住している)選手・スタッフは問題なく試合・練習に参加できます。

放映権問題。。。シーズン中に放送局が変わる!?

現在、タイリーグの放映権を持っているのはタイ大手のテレビ局、True Visionです。True Visionは2016年から2020年末まで4年間で総額42億バーツ(約151億円)の独占放映契約を結んでおり、今年は契約の最終年度でした。
前述の通り春秋制をとっているタイリーグは本来なら2月開幕、10月末に閉幕の予定でしたが、リーグは約7ヶ月中断、プレーオフも含めると5月までずれ込む事になってしまいました。
タイサッカー連盟は当然、5月末までの契約延長を申し出ましたがTrue Visionはこれに難色を示しています。今月にはリーグの7月中の再開を求める書面をタイリーグに提出していますが、リーグとしてはこれを固辞。泥沼化しそうな雰囲気がしています。

今年初めには、DAZNが来季から1年6600万ドル(約92億円)でタイリーグの放映権を落札する方針との報道が出ていました。コロナによりDAZNも少なからず打撃を受けているはずなので今後どうなるかは分かりませんが、シーズン中にも関わらず2020年はTrue Vision、2021年はDAZNで放送、なんていう展開もありそうです。。

まとめ:今後も変動の可能性あり!

ここまで1ヶ月以上感染者ゼロを守ってきたタイですが、残念な事にバンコク在住の外国人の中から感染者が出てしまいました。

慎重に慎重な判断を進めてきたタイサッカー協会ですので、今後再び感染者数が増加すると、ひょっとしたらリーグ再開にも影響があるかもしれません。
一方で、タイサッカー協会は早期再開に向けて動いているとの情報もあり、現時点ではどっちに転ぶかわからない状況でもあります。
今後も引き続き情報をアップデートしていきたいと思います!