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【タイリーグ1部2020】設立わずか11年リーグ制覇!チェンライ・ユナイテッドFC

正式名称 Singha Chiangrai United F.C.
(タイ語表記:สโมสรฟุตบอลเชียงราย ยูไนเต็ด)
チーム愛称 CRUTD
設立年 2009年
ホームスタジアム Singha Stadium
監督 滝雅美
チームカラー オレンジ・黒

チェンライ・ユナイテッドFC。この名前を聞いたことがあるサッカーファンの方は多いのではないでしょうか?
それもそのはず、昨年のACL本大会出場をかけてサンフレッチェ広島と戦いPK戦の末惜しくも敗れたのがこのチェンライ・ユナイテッドFCです。

日本の滝雅美監督が率いていることでも注目を集めたこのチーム。

今回はそんなチェンライ・ユナイテッドFCの魅力をご紹介します。

最終節で逆転勝利!T1初優勝

昨年(2019シーズン)のJリーグ最終節でも横浜F.マリノスとFC東京との熾烈な優勝争いが話題を集めましたよね。実は同じ頃、T1でもそれと同じ、、、いやそれ以上のドラマが繰り広げられていました。

タイリーグのなかで最強と呼ばれているブリーラム・ユナイテッドFC。最終節直前での勝ち点がブリーラム・ユナイテッドFCは57、チェンライ・ユナイテッドFCは55でブリーラム・ユナイテッドFCが勝利すれば優勝、敗北または引き分けでチェンライ・ユナイテッドFCが勝利すれば優勝というサッカーファンからすれば手に汗にぎる展開でした。

結果、ブリーラム・ユナイテッドFCは引き分けでチェンライ・ユナイテッドFCは勝利。勝ち点は58で並びましたがブリーラム・ユナイテッドFCとの直接対決の結果、チェンライ・ユナイテッドFCが2018/19シーズンを初優勝しました。

本当に劇的な初優勝でした…!

設立から11年の新興チーム

チェンライ・ユナイテッドFCは2009年に設立されたまだまだ若いチームです。ただすごいのその後の成長の速さ。その年に地域リーグディヴィジョン2(当時3部)で優勝し、翌年にはディヴィジョン1で3位入賞、たった3年でタイプレミアリーグ(現在名称はT1リーグ)に昇格しました。

設立からたった3年で1部に昇格するなんて通常ではありえないこと。ただ下リーグのチームというのは昇格に時間がかかればかかるほど、チーム経営がたいへんになります。その点、1年ごとに昇格していったチェンライ・ユナイテッドFCは無駄がなく、スポンサーも集めやすかったのではないでしょうか。

2012年からはクラブ長年のスポンサーであるシンハー(Singha※タイのビールメーカーです)の名前を冠した11,000人収容のシンハー・スタジアム(Singha Stadium)をホームスタジアムとしています。

T1で中堅クラブとしての地位を確立

チームが昇格した際、まず最初に味わうのが1部のチームとの力の差。せっかくJ1に昇格したのにわずか1年でJ2に降格してしまったV.ファーレン長崎のように、1部にい続けるだけでも至難の技です。

しかし、チェンライ・ユナイテッドFCはその後も降格することなくT1で中堅クラブとしての地位を確立し、2018/19シーズンについにT1初優勝を飾りました。

また、それまでの2年間では、リーグ優勝こそしていないものの、FAカップで2回、リーグカップ、タイチャンピオンズカップでそれぞれ1回づつタイトルを獲得しています。これもすごい事ですよね。

チームをT1優勝に導いた2つの要因

要因①チームスタイルの確立

チームを成長させた要因の1つ目は、2018/19シーズン指揮をとったブラジル出身のアリルトン・ドス・サントス・シルバ(Ailton dos Santos Silva)監督がチームに規律ある守備を徹底させ、ボールを持ったら一気にカウンター攻撃に転じるというチームのスタイルを確立させたこと。

要因②大型スポンサー契約

そして2つ目は、2016年にインテリアと建築デザインを手がけるタイ大手ジャルケングループ(Jarken Group)とスポンサー契約を締結したこと。このことがクラブをブランド化し、有名クラブとしてチームのスタイルを世間に広めました。

さらにこの契約により、ほかのスポンサーとも契約を結ぶことができたため選手にかけられる予算も増えました。タイ代表MFタナブーン・ケサラット(Tanaboon Kesarat)、ブラジル出身のMFヴァンデル・ルイス・シウヴァ・ソウザ(Vander Luiz Silva Souza)、MFウィリアム・エンリケ(William Henrique)などトップ選手の獲得に成功したのはこのためです。

これはタイのサッカーファンにとっても嬉しいできごとだったのではないかと思います。

タイ代表MFタナブーン・ケサラット。一時期はJリーグへの移籍も噂されました。

気になる2019/20シーズンは?

2019年12月から滝監督のもと新たに始動したチェンライ・ユナイテッドFC。これまで4試合戦い1勝2分1敗、勝ち点5の10位とまだ思うような結果が出ていません。

MFシワコーン・ティアトラクーン(Sivakorn Tiatrakul)とMFピティワ・スクジットタムワクー(Phitiwat Sukjitthammakul)の中盤コンビは常に安定したプレーを見せていたにもかかわらず、昨年得点王のブラジル人エースストライカーのFWビル(Rosimar Amâncio 愛称:Bill)が今のところ1ゴールしか挙げられていないのも不安要素のひとつ。

しかし、まだまだリーグ戦は始まったばかり。
新監督のもと、戦術がフィットしチーム本来の力を発揮することができれば十分に上位をねらう事ができるでしょう。

リーグ戦が再開すれば、プラチュワップFC、ナコーンラーチャシーマーFC、ラヨーンFCと対戦し、AFCチャンピオンズリーグではメルボルン・ビクトリーFCとFCソウルとの対戦もあります。

再開後のチームの活躍が待ち遠しいですね!

チェンライ・ユナイテッドFC まとめ

  • 2009年にチーム設立し、2012年にはTPL(現在のT1)昇格
  • シンハー・スタジアムをホームスタジアムとして戦う
  • 2018/19シーズン設立から11年目にしてT1初優勝
  • 2019/20シーズンは滝新監督のもと現在1勝2分1敗、勝ち点5の10位

2019/20シーズンはスタートダッシュこそ叶わなかったものの、リーグ戦休止後チームがどのように戦うかが見どころです。まだまだ若いこのチーム。同じ日本人として滝監督にも注目して今後のチェンライ・ユナイテッドFCの活躍にご期待ください!